00-グアテマラ リベルタ・ファーマーズ（深煎り）

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生産国  ：グアテマラ
農園  ：リベルタ・ファーマーズ
農園主  ：ビジャトロ・ファミリー(12兄弟姉妹)
地区  ：ｳｴｳｴﾃﾅﾝｺﾞ県 ﾗ･ﾘﾍﾞﾙﾀ市 ﾊﾟﾙﾐﾗ村
標高  ：1600‐1800m
品種  ：ブルボン＆カトゥーラ
生産処理  ：ウォッシュト
焙煎度合い  ：深煎り
風味特性  ：チョコ＆アップルの印象

【コメント】

●丘の上から始まった、家族と大地の物語

— Guatemala, Familia Villatoro –

グアテマラの山岳地帯、ウエウエテナンゴ県 La Libertad（ラ・リベルタ）。標高1,700mを超える急峻な丘に広がるこの地で、約80年前、一人の男が夢を抱いて最初のコーヒーの苗木を植えました。

彼の名は Felipe Margalito Villatoro。

コーヒーがまだ輸出の主流になる前の時代。Felipe氏の情熱は、彼の12人の子どもたちへと受け継がれました。今ではその兄弟姉妹がそれぞれの土地で農園を持ち、家族全体でFamilia Villatoroとしてグアテマラのスペシャルティコーヒーを牽引しています。

— 歴史を紡ぐ2代目、Juan Aurelio の挑戦 —

中でも Felipe 氏の息子 Juan Aurelio Villatoro 氏は、2代目として一族のリーダー役を担い、La Libertad の農園運営と品質向上を統括しています。彼の丁寧なマネジメントのもと、農園では1〜4月の収穫期に3回に分けた完熟チェリーのハンドピッキングを実施。収穫された果実は、自社で所有する精選所「Punta del Cerro ウェットミル」へと運ばれ、徹底した品質管理のもとで処理されます。

La Libertad の土壌は、「franco-arenoso（砂壌土）」と呼ばれる極めてバランスの良い土壌で、ミネラルに富み、植物の成長に理想的。 さらに周辺には針葉樹の森が広がり、コーヒーの木々に日陰と潤いを与える自然環境が整っています。

— Xinabajul Project – 地域の未来をつくる手 —

Familia Villatoro が生産者として成長を続けてこれたのは、自らの努力だけではありません。 2012年から参加している「Xinabajul Project（シナバフル プロジェクト）」。

これは、ウエウエテナンゴ県内の小規模農家が集まり、地域単位で品質向上を図る協働プロジェクトです。中心となるのは、同じく名門農園 ROSMA の主、Fredy Morales 氏を擁する Morales Family。彼らと Villatoro Family は定期的にカッピングセッションを行い、互いの豆の風味を評価し合いながら改善を重ねるなど、品質への情熱を共有し続けています。

この取り組みは、ただの「良いコーヒー作り」ではありません。“Huehuetenango”という産地の名を、世界のスペシャルティマーケットに誇れるブランドに育てるための、共闘の物語なのです。

— 一杯に宿る、家族と大地と仲間の力 —

Familia Villatoro のコーヒーには、80年を超える家族の歴史、肥沃な大地の恵み、そして地域の仲間と築いてきた信頼が詰まっています。完熟果実の甘みと、冷涼な気候に育まれた透明感のある酸。焙煎すれば、チョコレートやスパイス、アップルのような風味が立ちのぼり、その奥には、コーヒーと共に生きる人々の物語がそっと宿ります。

丘の上から始まった家族の夢は、今、世界中のカップの中で静かに息づいています。その一杯が、あなたの記憶にも残る物語になりますように。
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