00-エチオピア シャキソ チャモラWS-G2(中煎り)

100g 972円(税込)〜

豆の状態
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生産国  :エチオピア
ウォッシング ステーション  :チャモラ
生産者  :92人の小農家
地区  :オロミア州 グジ オド シャキソ
標高  :1700 -1900m
品種  :エチオピア在来種
生産処理  :ウォッシュト G2
焙煎度合い  :中煎り
風味特性  :アプリコット&アップルの印象

【コメント】 
グジの森に響く水音 ― シャキッソ・チャモラ・ウォッシングステーションの物語

エチオピア南部、オロミア州グジ・オドシャキッソ。 標高1,700〜1,900メートルの高地に広がるこの地は、朝になると霧が谷を覆い、太陽がゆっくりと森を目覚めさせます。鳥の声が響き、遠くでは子どもたちの笑い声がこだまする――そんな日常の真ん中に、92人の小規模農家とともに歩むシャキッソ・チャモラ・ウォッシングステーションがあります。

この地域は長い間、豊かな鉱物資源に恵まれていながらも、外部からのアクセスが制限されていました。金や宝石を求めて人が集まった時代もありましたが、外の世界と深く結びつくことはなかったのです。

そんなグジが変わり始めたのは、わずか数十年前のこと。規制が緩和され、コーヒーの可能性が注目されると、この土地は一気に世界のコーヒーマップに浮かび上がりました。チャモラ・ウォッシングステーションもその波に乗り、92人の小規模農家が育てたチェリーを集め、世界へと届ける役割を担うようになったのです。

伝説とともに息づくコーヒー

オロモ族の間には、こんな伝説があります。 天空神ワーカは、ある忠実な僕を罪に問うて死刑にしました。後にその者が無実だと知り、深い悲しみに沈んだワーカは墓の前で涙を流します。その涙が大地にしみ込み、そこから芽吹いたのがコーヒーの木。

だからこの地で育つコーヒーは、神の涙から生まれた特別なものだと、人々は信じてきました。チャモラで育つ一粒一粒のチェリーには、そんな伝説と自然の恵みが息づいているのです。

チャモラ・ウォッシングステーションでの精製は、清らかな山の水を使ったウォッシュトプロセス。 収穫された赤いチェリーはまず手で選別され、浮き豆を取り除かれ、澄んだ水でゆっくりと洗われます。昼夜の寒暖差と高地特有の気候がチェリーの甘みをぎゅっと閉じ込め、アプリコットやアップルを思わせる華やかな酸味と瑞々しい風味を育みます。

乾燥の最中に吹き抜ける風や、遠くの森から届く鳥の声――そのすべてが、このコーヒーの香りや味わいの背景となっています。

いまやグジの地にはShakisso FarmやSawana WSなど多くの洗処理場が点在し、それぞれが特色あるロットを生み出しています。その中でもチャモラ・ウォッシングステーションは、少数精鋭の生産者とともに最高グレード(Gr.1)のウォッシュトコーヒーを生み出す拠点として、グジコーヒーの名を世界に広める役割を果たしています。

かつて「金の地」と呼ばれたこの場所は、いまや「コーヒーの地」として新しい物語を紡ぎ続けているのです。

チャモラのコーヒーを口に含むと、最初にアプリコットのような明るい酸味が広がり、やがてリンゴのようなやさしい甘みが訪れます。その奥には、92人の農家の誇りと、森の恵み、そして長い歴史が静かに息づいています。

一杯のコーヒーが語るのは、ただの風味ではありません。 それはグジの森と人々が紡いできた物語そのものなのです。

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