00-ニカラグア ウンレガロ デ ディオス農園 パカマラ・ナチュラル(中煎り)

1,188円(税込)

豆の状態
購入数

生産国  :ニカラグア
農園  :ウンレガロ デ ディオス農園
農園主  :ルイス アルベルト
地区  :ヌエバ セゴビア県モソンテ
標高  :1500-1800m
品種  :パカマラ
生産処理  :ナチュラル
焙煎度合い  :中煎り
風味特性  :アップル&アプリコットの印象

【コメント】 
ルイス・アルベルトと「神様からの贈り物」

朝靄に包まれた中米ニカラグアの山間、小さな村に静かに佇む農園―― それが、ルイス・アルベルトさんが現在守る場所です。かつてホンジュラスで暮らしていた彼の家族は、内戦の混乱を避けて命をつなぐようにニカラグアへと移住しました。

そこで父がコーヒー農園で働く姿を、ルイスさんは毎日見つめて育ちました。畑に差す朝の光、赤い実を丁寧に摘む父の温かい手。その光景は、少年の心に深く刻まれたことでしょう。

年月は流れ、ルイスさんも自然とコーヒーの世界へ。初めは「ラス・セゴビアス」という輸出業者として他の農家の豆を扱っていましたが、「作り手の心を自らの手で感じたい」との思いから、2007年に自身の農園経営をスタート。今では5つの農園と精選所を統括し、130人にもおよぶチームとともに、収穫から乾燥、出荷までを一貫して高いクオリティで行っています。

そんな彼には、もう一つの顔があります。
コーヒーづくりの傍ら、地元の教会で牧師として人々を導いているのです。日々、悩みや喜びに耳を傾け、寄り添うその誠実さは、農園での仕事にも息づいています。豆を一粒ずつ選び、乾かし、守り抜くその手間は、まるで誰かの幸せを願う祈りのよう。飲む人の心を温めるのは、恵まれた環境や磨かれた技術だけでなく、彼自身の温かな人柄なのです。

そんな想いを込めて名付けられたのが、「ウン レガロ デ ディオス(Finca Un Regalo de Dios)」──“神様からの贈り物”。その名にふさわしく、農園は標高1,350〜1,800mのディピルト=ハラパ山脈に抱かれています。昼夜の寒暖差、砂質土壌と豊かな有機物、そして恵みの雨──すべてが、ここでしか生まれない特別なコーヒーを育てているのです。

農園内ではパカマラやゲイシャを含む多様な品種を区画ごとに栽培し、乾燥はUVカバー付きのアフリカンベッドでじっくりと。近年ではエアコン制御によるドライルームを導入し、品質の再現性にも挑戦しています。

この取り組みは世界的にも高く評価され、カップ・オブ・エクセレンスでは複数回の上位入賞を成し遂げました。2020年には「ウン レガロ デ ディオス」がトップスコアに輝き、その品質の確かさを証明しています。

今回お届けするのは、農園を代表するパカマラ種をナチュラル精製した一杯。りんごのようなクリアな酸味、アプリコットや熟した果実の甘さ、そしてブラウンシュガーを思わせる余韻が美しく重なり合います。まるで、ルイスさんの誠実な人生とチームの情熱が、カップの中で静かに語りかけてくるようです。

日々、収穫から乾燥、出荷までがそれぞれのプロフェッショナルの技と想いによって支えられる。「品質の安定」を守るその姿勢こそが、季節が巡っても変わらない「最高品質のコーヒー」を生み出す秘訣なのです。

――カップに唇を寄せると、甘く軽やかな果実の香りの向こうに、ヌエバ・セゴビアの朝の静けさがふっと胸に広がります。どうぞ、ルイス・アルベルトさんから届いた“神様からの贈り物”を、あなたの一杯でお楽しみください。