00-ニカラグア ラス・セゴビアス(深煎り)

1,026円(税込)

豆の状態

生産国  :ニカラグア
農園  :ラス・セゴビアス
農園主  :ルイス・アルベルト・バラダレス
地区  :ヌエバ セゴビア県モソンテ
標高  :1500-1800m
品種  :複数の品種のブレンド
生産処理  :ウォッシュト
焙煎度合い  :深煎り
風味特性  :ダークチョコ&ブラウンシュガーの印象

【ストーリー】 
**ニカラグア|ルイス・アルベルトの物語

—— “神様からの贈り物”が生まれるまで**

標高1,350〜1,800m。ニカラグア北部、ディピルト=ハラパ山脈の深い森の中に、Luis Alberto Balladarez(ルイス・アルベルト)のコーヒー農園は広がっています。彼のコーヒーの物語は、今から4世代前、家族がこの土地に根を下ろしたところから始まります。

幼い頃からコーヒーの木に囲まれ、「コーヒーと共に育った」と言うルイスさん。しかし、山岳地帯のこの地域は紛争も多く、一時は家族で国境を越えてホンジュラスに避難せざるを得ない時期もありました。

——「もう一度、この土地でコーヒーをつくりたい」

その想いを胸に、1990年代、彼は再びディピルトへ戻ってきます。そして妻のエスペランサさんと共に、ヌエバ・セゴビア州オコタルで精製・輸出会社 “Beneficio Las Segovias(ラス・セゴビアス)”を立ち上げました。地域の小規模生産者のチェリーを受け入れ、丁寧に精製し、品質を高める——。彼の挑戦は、ここから本格的に始まります。

さらにルイスさんにはもう一つの顔があります。それは”牧師”として地域の教会で人々に寄り添う姿です。「誠実さ」「思いやり」「真心」を重んじる彼の生き方は、のちに彼のコーヒーづくりそのものに色濃く反映されていきます。

——自社農園を持つという決断

2008年、ルイスさんは長年の夢であった自社農園を取得します。
一つ目の農園は La Bendición = ”祝福”
その後、Un Regalo de Dios = “神様からの贈り物”
La Esperanza = ”希望”
Lo Prometido = ”約束の”
La Hermosa = ”美しい”
と、山脈に沿っていくつもの農園を開きました。
彼が農園に与える名前には、どれも“祈り”“感謝”“約束”など、牧師としての人生観が込められているのです。

——“品質を設計する”という発想

ルイスさんのコーヒーが国際的に評価される理由—— それは、彼が単なる農業者ではなく、データで味を設計するエンジニアであり、 人の心を思う牧師でもあるからです。

収穫から発酵、乾燥、カッピングに至るまで細かな記録を取り、品種ごと・標高ごとに適切なプロセスを組み立てる。天候の変化を読み、乾燥パティオやアフリカンベッドを細かく使い分ける。「偶然に任せないコーヒーづくり」——それが彼のスタイルです。

その結果、**カップ・オブ・エクセレンス(COE)**では2017年・2018年・2020年・2022年など数多く入賞し、ニカラグアを代表する生産者の一人となりました。

——いま、5代目へとつながるコーヒー

現在、ラス・セゴビアスは家族経営で運営され、息子のガディエルさんを中心とする5代目も実務に参加しています。「生産者の生活が良くなれば、コーヒーはもっと良くなる」そう語るルイスさんは、地域の小規模生産者を支えながら、自らの農園で次の世代へ繋がる品質を追求し続けています。

——”一杯の中に宿る“誠実さ”——そして今回の味わい

ルイスさんのコーヒーには、豊かな甘さ、澄んだ酸、そして人柄そのもののような温かさがあります。その背景には、牧師として人に寄り添う姿勢や、一粒一粒に真心を込める丁寧な作業、そして自然と科学の両面から品質を追い求める姿勢が宿っています。

今回ご紹介するロットは、ルイスさんの農園のコーヒーをブレンドし、深煎りで仕上げた特別な一杯。焙煎によって際立つのは、ダークチョコレートを思わせる深いコクと、ブラウンシュガーのようなやわらかな甘み。

口に含むと、クリーミーでなめらかな舌触りがゆっくりと広がり、静かに、しかし確かに余韻を残していきます。まるで、ルイスさんが一杯の中に込めた祈りが、深煎りの温かさとなって心まで届くような──そんなやさしさと力強さを持つコーヒーです。

—— 神様からの贈り物は、深煎りの甘さと共に、今日もあなたのカップに届きます。