‐厳しい大地が育んだ、深くやさしい甘さ
2023年、私たちはグアテマラ西部、ウエウエテナンゴ県を訪れました。山々が幾重にも連なる道を進み、たどり着いたのが、マラカタンシトのピアチェ村にある「ガルデニア農園」です。
標高約2,000mの高地に広がる農園では、強い日差しと乾いた風の中、コーヒーの木々が山の斜面に沿って育っていました。ガルデニア農園を営むのは、エディ・ロペスさんとパオラ・メリーダさん。二人は2012年にこの農園を引き継ぎ、本格的なコーヒーづくりを始めました。
しかし、この土地での栽培は決して容易なものではありません。雨が少なく乾燥しやすい気候に加え、土壌も十分な栄養を備えているとはいえず、コーヒーを健やかに育てるためには、細やかな管理が必要です。エディさんたちは土の状態を見極めながら適切に肥料を与え、一本一本の木と向き合い続けてきました。
一方で、品質を求めるあまり自然を犠牲にすることはありません。農園に昔から生息する植物や動物を守り、周囲の環境との調和を大切にしながら、持続可能な農園づくりにも取り組んでいます。良いコーヒーは、健康な土と豊かな自然から生まれる。そんな二人の考えが、農園のいたるところから伝わってきました。
品質向上のため、ガルデニア農園は、ウエウエテナンゴで高品質なコーヒーづくりを支える「Rosma Coffee Land」や、地域の生産者たちが協力して技術を高め合う「Xinabajul Project」とも連携しています。
収穫されるのは、赤く熟したコーヒーチェリーだけ。手摘みされたチェリーはさらに丁寧に選別され、発酵や乾燥の工程へと進みます。気温や湿度、チェリーの状態を確認しながら、時間をかけて仕上げていく作業には、経験と根気が欠かせません。こうした積み重ねによって、果実の甘さと透明感を持つ、ガルデニア農園らしいコーヒーが生み出されます。
その努力は、確かな評価にもつながりました。2024年に開催された「Yara CHAMPION Program Coffee」では、89.67点という高得点を獲得し、第3位に選ばれています。厳しい自然条件を言い訳にせず、むしろその環境と向き合いながら品質を高めてきた二人にとって、大きな成果となりました。
今回、スギコーヒーでは、このコーヒーを深煎りに仕上げています。深く焙煎することで酸味を穏やかにし、チョコレートを思わせる濃厚な味わいと、ブラウンシュガーのようなコクのある甘さを引き出しました。
ひと口含むと感じられる、深くまろやかな味わい。その奥には、高地の乾いた風、厳しい土壌、そして農園を育て続けるエディさんとパオラさんの情熱があります。
グアテマラの山あいで、自然と向き合いながら丁寧に育てられたガルデニア農園のコーヒー。現地で出会った二人の姿を思い浮かべながら、ゆっくりと味わっていただければ幸いです。
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