00-コスタリカ エルサル デ サルセロ(中深煎り)

1,144円(税込)

豆の状態
購入数

生産国  :コスタリカ
農園  :エルサル デ サルセロ
マイクロミル  :エルサル デ サルセロ
農園主  :リカルド・ペレス・バランテス
地区  :ウエストバリー ナランホ リャノボニート
標高  :1700-1800m
品種  :カトゥーラ
生産処理  :イエローハニー
焙煎度合い  :中深煎り
風味特性  :ベリー&ブラウンシュガーの印象

【コメント】 
― 光と風が描く、ウェストバレーの一杯 ―

朝霧がゆっくりと丘を包み、太陽がその向こうから顔をのぞかせる。コスタリカ西部、ウェストバレー・リャノボニート・デ・ナランホ。標高1,700メートルを超える山の中腹に、小さなマイクロミル「Helsar de Zarcero(ヘルサル・デ・サルセロ)」はあります。霧が晴れると、緑の葉の間から真紅のチェリーが陽光を浴びて輝きます。

このミルを運営するのは、リカルド・ペレス・バランテスとロドリゲス兄弟。
「自然が教えてくれるリズムに従えば、木々は自分で実る時を語ってくれる。」
そう語るリカルドは、毎朝畑を歩きながら葉の色と風の香りを確かめます。ここでは時間さえも自然の一部。ゆるやかに流れる季節の中で、コーヒーの実はゆっくりと糖度を高めていきます。

今回のロットは、古くから中米で愛される品種カトゥーラ(Caturra)。
小さな樹が生むチェリーは、昼夜の寒暖差が大きいこの地でじっくりと熟し、果実の中に甘さと酸の調和を育みます。火山性の赤土に含まれる豊富なミネラルと、清らかな湧き水がその味わいを支えています。

収穫はすべて手摘み。完熟したチェリーだけを選び抜き、すぐにミルへ運びます。Helsarでは雨水と湧き水を循環利用するエコパルパーを使い、水を最小限に抑えながら精製を行います。自然への敬意を忘れず、すべての工程に持続可能な思考が息づいています。

果肉を除去した後は、粘液質をほどよく残して乾燥させるイエローハニー・プロセスへ。
乾いた風と穏やかな陽光の下、アフリカンベッドでゆっくりと10日以上かけて水分を抜いていきます。ミューシレージが黄金色に変わるころ、豆の中には蜜のような甘みとベリーの明るい香りが閉じ込められます。 乾燥後の豆は、時間をかけて休息を取り、再び選別されます。
「完璧な豆はない。でも、完璧を目指す心が風味をつくる。」
そう語る彼の言葉どおり、このロットは清らかで優しく、どこまでも透明な味わいに仕上がりました。

カップに注げば、まずローストナッツやキャラメルのような甘さが広がり、続いてグレープやレッドアップルのような甘い酸味が心地よく追いかけてきます。冷めるにつれてブラックベリーやアプリコットを思わせる余韻が現れ、最後にはブラウンシュガーのようなまろやかさが静かに残ります。

その味わいは、まるで霧が晴れた朝の山頂に吹く一筋の風のよう。
大地の滋味と太陽の温もり、そして人の手のぬくもりが調和した、自然そのものの一杯です。

Helsar de Zarcero は、単なる生産地ではなく、“自然と人が共に生きる場所”。
その哲学が、このCaturra Yellow Honeyの一粒一粒に宿っています。

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