00-ケニア ニエリ・ヒル農園(深煎り)

1,026円(税込)

豆の状態
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生産国  :ケニア
農園  :ニエリ・ヒル農園
生産者  :カトリック教会が運営
地区  :ニエリ県ニエリ地区
標高  :1800−2200m
品種  :SL28、SL34
生産処理  :ウォッシュト
乾燥方法  :アフリカンベッド
焙煎度合い  :深煎り
風味特性  :ブラックベリー&カカオの印象

【コメント】 
ー「百年を超えて受け継がれる丘陵の物語」
東アフリカ、ケニアの中央部。朝霧に包まれたニエリの丘陵地帯は、太陽が昇るにつれてゆっくりと姿を現し、遠くにはケニア山の雄大な山影が浮かび上がります。その山麓に広がるのが、ニエリ・ヒル農園。

1914年、カトリックの宣教師たちがこの地にやってきて、標高1,800メートルを超える丘の上にコーヒーの苗を植えました。以来100年以上、農園は時代の移り変わりを見つめながらも、人と自然が織りなす物語を静かに紡ぎ続けています。

ケニアのコーヒーといえば、多くの小規模農家が収穫したチェリーを「ファクトリー」と呼ばれる生産処理場に持ち込み、複数の農家の豆がひとつのロットとしてまとめられるのが一般的です。

しかし、このニエリ・ヒル農園は違います。ケニアでは数少ない単一農園ロットを生み出す、特別な存在なのです。

ー「高地と肥沃な大地が育むコーヒー」
ニエリ・ヒル農園は、ケニア山の山麓、ニエリ地区の中でも最も高い場所に広がる1,415ヘクタールの大農園。1ヘクタールあたり平均1,087本のコーヒーの木が整然と植えられ、紅茶の畑や酪農、家畜飼育も営まれるこの地は、農園というよりひとつの小さな世界のようです。

冷涼な高地の気候、肥沃な火山性土壌、そして日較差のある環境が、コーヒーに複雑で豊かなフレーバーを与えます。農園には自前の生産処理設備が整い、収穫されたチェリーは丁寧に水洗処理され、アフリカンベッドで7〜15日間じっくりと乾燥されます。自然のリズムに寄り添いながら、コーヒーはゆっくりと仕上がっていくのです。

ー「人と地域をつなぐコーヒー」
この農園を所有するのはカトリック教会。収益は学校や病院の運営、地域の雇用に活かされ、コーヒーが人々の暮らしを支えています。丘陵の風景の中には、働く人々の笑顔や子どもたちの笑い声があり、このコーヒーが地域に根ざした存在であることを物語っています。

ー「味わいのように流れる時間と記憶」
このニエリ・ヒル農園の豆を、深煎りで仕上げることで、酸味が得意でない方にも存分に楽しんでいただける風味を引き出しました。香りを開くと、まずローストしたココアパウダー、ダークチョコのほろ苦さが立ち昇り、さらに続いてキャラメルのような甘い香り。その奥からブラックベリーの濃厚な甘い香りがゆっくり顔を出します。

口に含むと、重厚で滑らかな質感。高級カカオのようなコクとリッチな甘さが舌に広がります。後味にはほろ苦いダークチョコと、心地よいスパイスのニュアンスが感じられ、ブラックベリーの甘い余韻が長く続きます。

ー「あなたの一日を彩る一杯に」
この一杯を淹れるとき、立ちのぼる香りは丘陵に漂う朝霧のよう。ひとくち飲めば、百年の歴史と人々の想いがそっと胸に響きます。

どうぞ、このコーヒーとともに静かな時間を過ごし、あなた自身の物語を紡いでみてください。